自身の体験談や考察を基に物事の考え方をまとめています。あくまで私個人の手法と考察であり、なんらかの結果を確約するものではないことをご了承の上、読み進めていただければ幸いです。
はじめに
あなたが周囲を見渡すとき、基本あなたの視点で世界は見えていると思われます。例えば人や物、風景などといった光を介した視覚、概念やストーリーの理解などイメージするときの視点などがありますが、どの視点においても基本となるのは自己の視点、つまりはあなたにどう見えるか、あなたがどう感じるかではないでしょうか?もちろん私自身も自己の影響から逸脱しているわけではなく、やはり自分の見たいように人や物事を見ている実感があります。ただ、幼少期に比べれば多少なりとも視野は広がり、少しは周囲の人や考え方に一定の理解を示せるようになった気がします。
今回はそんな一人の矮小な視点が多少なりとも広がった可能性について、体験も交えながら考察したいと思います。理解されているとは思いますが、扱う視点は物理的な視覚ではなく、自身の感情も含めた他人や物事を理解するための視点・感じ方の話になります。昆虫のように複眼が手に入るのではないか、と期待された方は申し訳ありませんがそっとブラウザを閉じて頂いて昆虫博士、もしくは視覚科学や人工視覚のサイトを訪ねることをお勧めします。もし本当にそれらの勉強を修めた方がいらしましたら、当方そちらにも興味ありますので、是非ご連絡お待ちいたしております。
自己からの影響について
よくある簡単な質問です。『リンゴ』と言われて、あなたが連想するものはなんでしょうか?赤色や酸味、ジュースや他の果物、はらぺこあおむし、ニュートン、ゴリラなどなど、人それぞれに色んなことを連想されるでしょう。では最初に連想されたのはなんでしょうか?やはり人によって違うと思われます。しかし、あなたにとって最初に連想されたものはなぜ『それ』だったのでしょう。あなたはあなたの人生の経験や知識、その時の心情など、自己を構成している様々なものから影響を受けて答えられたのではないかと推察します。私たちは周囲から影響を受けて自己を形成しますが、そうして作られた過去の自己からの影響もまた大きいかと思います。言われてみれば当たり前のことなのですが、この影響を常に意識して生きている人は少ないのではないでしょうか?なぜならそんなことを意識して生き続けるはかなり手間だし、疲弊してしまいます。楽に生きようとするのが生物としての常であり、つまり、基本的に人は自己からの影響を自覚せずに生きようとするのが通常とも言えます。ではここで話を戻して、もし仮に『リンゴ』で連想するものに『トランプのエース』と答えた人がいたとしましょう。一瞬理解に戸惑う人がいてもおかしくはないでしょうが、理解を放棄した人、もしくは理解できないことに忌避観を感じる人は「そんなのはおかしい、普通じゃない」と指摘するかもしれません。この話で言いたいことは二つです。一つは人が他者を評価するときにもまた自身の影響を受けている、ということ。もう一つは相手の理解をするためには『トランプのエース』という言葉ではなく、なぜその言葉が最初なのかという相手の背景を理解しようとすることが必要、ということです。この二つをもう少し詳しく考察してみます。
他者の評価と自身からの影響について。
先ほど記述した通り人は自分を構築してきた世界全てから影響を受けています。世界によって自己が形成され、その自己からも影響を受けることによって安定した自己が確立します。ただし、自分が識ってきた価値観をものさしとして世界を見ようとするため、知らない価値観や世界観に触れた際、多少なりとも戸惑うことになります。それを未知のワクワクとして好奇心の対象にすることもあれば、自身の価値観を脅かす脅威と捉えることもあり得るわけで、後者の場合はどうしても否定的な解釈に傾きやすいと言えます。どちらにせよ今自分が見えていること、感じていることは相手からだけではなく、自分自身からも影響された結果なのだと理解することで、別の視点を受け入れやすくなるのではないでしょうか?
相手の背景を理解する必要性について。
自身が自己からの影響を受けているのと同様、相手もまた相手自身から影響を受けていると考えられます。つまり、相手の言葉はその人の世界観から影響を受けていると考えることができ、相手の言葉は相手の一部でしかないということになります。言葉のみを捉えてその人自身を判断している人は相手を理解することに足りていないことが多いので気を付けてみると良いのではないでしょうか?勿論、言葉そのものの意味を相互理解のために確認していく作業は大切だと思うので、議論などの際には相手自身を理解するための会話と、相手の言葉を理解するための会話があることを分けて考えらえれば問題ないかと思います。
今回はここまでにしようと思います。稚拙な文章ではありますが今後も気楽に読んで感想など頂ければ嬉しく思います。
コメント